大阪・東淀川区の空に、いま一つの巨大な影が静かに立ち上がろうとしている。阪急電鉄・淡路駅――完成すれば日本最大級となる“要塞”のような駅だ。建設現場を上空から見下ろすと、鉄とコンクリートが幾重にも重なり、まるで都市そのものが呼吸しているかのように見える。
淡路駅は新大阪から東へわずか2キロ、京都本線と千里線が交差する交通の要衝だ。だが、その利便性の裏側では、踏切を廃止し街の分断を解消するという壮大な連続立体交差事業が進んでいる。列車を止めることなく、限られた空間で工事を進めるため、「直上工法」「別線工法」「仮線工法」など、場所ごとに異なる高度な技術が使い分けられてきた。
特に目を引くのは、道路をまたぐトラス橋だ。三角形を組み合わせた鋼鉄の骨組みの上下を列車が走るという、全国的にも珍しい構造。さらに、隣で組み立てた橋桁を横に移動させる“横取り架設工法”、骨組みを前方へ押し出す“送り出し工法”など、まるで巨大なパズルのように橋が組み上げられていく。
完成後の淡路駅は高さ約30メートル、4階建て。2階が改札、3階が上り、4階が下りという上下二層構造となり、四方から二重高架が接続する姿は「蒲田要塞」とも呼ばれる京急蒲田駅をも凌ぐ規模になるという。7.1キロの高架化によって17か所の踏切が消え、街の景色は一変する。
しかし、その完成は三度延期され、現在の予定は2032年。いま見上げる鉄骨の迷宮が、数年後にどんな姿へと変わるのか――その瞬間を、私たちは見届けることになる。
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