あの日も、特別な夜ではなかった。
夕食を終え、食器を片付け、風呂の準備をする。
家族にとっては、何度も繰り返してきた「いつも通り」の流れだった。
しかし、その日常は突然途切れた。
新潟県十日町市に住む中学3年生、樋口まりんさん(14)。
1月26日午後7時20分頃までは、自宅のリビングで家族と一緒に過ごしていた。
だが、その約10分後、姿が見えなくなった。
父親は、娘が風呂に入る準備をしているのだと思っていたという。
特別な様子はなかった。置き手紙もなかった。
「いなくなる理由」が見当たらないまま、時間だけが進んだ。
そして午後7時50分過ぎ、家族は110番通報をした。
姿が見えなくなってから、わずか20分ほど後のことだった。
「捜索願が早すぎる」といった声もあったという。
だが父親は語る。
「万が一を考えると、待っていられなかった」
その言葉の重みは、想像を超える。
まりんさんは2025年の暮れ頃から病気のため自宅療養をしていた。
父親によれば、「元気な時の方が少ない」状態だったという。
そんな中での突然の行方不明だった。
身長154センチ、痩せ型、黒のセミロング。
紺色のセーターに水色のデニムズボン。
足首にはミサンガを1本巻いていた。
だが、上着や靴は自宅に残されていた。
スマートフォンや財布も持っていなかった。
外は氷点下の真冬日。
積雪は2メートルを超え、雪の壁は大人の身長ほどの高さ。
視界を遮る雪国の夜は、静かで、そして過酷だ。
警察は周辺の捜索や聞き込み、防犯カメラの確認を続けている。
それでも、時間が過ぎるごとに、家族の胸に広がるのは不安だけだ。

父親は、涙混じりにこう語った。
「なんとか無事で、どこかで見つかってほしい。
みんなが、お前のことを思っている。本当に帰ってきてほしい」
失踪のニュースは、数字や時刻で伝えられる。
だが、その背後にあるのは「帰りを待つ時間」だ。
玄関の物音に振り向き、携帯の着信に胸が跳ねる日々。
あの日は、ただの一日だったはずなのに。
いつもと同じ夜だったはずなのに。
その「普通」が、いまは最も遠いものになっている。
まりんさんが、どこかで守られていること。
無事でいること。
そして再び家族のもとへ戻れることを、多くの人が願っている。
警察は引き続き、情報提供を呼びかけている。
小さな手がかりでも、命をつなぐ道になるかもしれない。
どうか、無事で。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=jewsiZ8Ubo0,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]